[映画]リリーのすべて
「リリーのすべて」を見てきた。
単純にストーリーを説明すると、性同一性障害の男性アイナーは
心はリリーという女性で妻のゲルダのモデルを勤めたときに女性の服を身につけ、
実はリリーであるという事実に目覚め生きていく・・・、
みたいな話になんだけど、性とは何か、自己というものは何かというようなことを
ずっとこちら側に問いかけさせる内容で非常にすばらしい話になっている。
リリーであることでゲルダとの夫婦関係は崩壊し始めるのだけどゲルダは献身的に
リリーを支えるのだけど、リリーは早々に夫婦関係を終わらしているところとか
舞踏会のシーンでの男性から女性へのまなざしの問題とか。
後半はリリーの購入したストールがすごく象徴として扱われ、最後のシーンにつながる。
結構複雑になりそうな話しを、淡々と非常にわかりやすくなるように作成されている。
音楽、衣装、鏡、窓に映るリリーの姿というのが非常にそのときの心象風景を
あらわしていたりと色々な所にこちらへの理解を助ける手がかりを
置いておいてくれている。
映画の趣旨からすれば俳優個人はどう思うかはわからないけど
主演女優賞にノミネートすべきだったのかなと。
「リリー/アイナー・ヴェイナー:エディ・レッドメイン」という書き方も
どうかと思う。エンドロールはちゃんと
「リリー・ヴェイナー:エディ・レッドメイン」になっていたし。
映画の趣旨からいうと、アイナーはそもそも他者の中にしか存在していないのだから。
是非、性同一性障害なんて変態じゃんって断絶している人にも見てもらいたい。
2016-9